Bayfm Traffic Updates – レコーディング・録音

曲のアレンジが完成すると、いよいよレコーディングです。オケ・レコーディング、ヴォーカル・ロゴ・レコーディングという順番で録音作業を進めていきます。

オケ・レコーディング

コンピューターを走らせ、数種類のMIDI音源を鳴らし、ミキサーで音を処理、直接DAT(デジタル・オーディオ・テープ)に録音するという方式をこのプロジェクトでは採用しました。すべてのパートをMIDI音源でカバーできたため、今回はこの方法で録音することができました。

当時、レコーディングで必ず使われていたMTR(マルチ・トラック・レコーダー)は使っていません。商業用レコーディング・スタジオも使いませんでした。

都内某所の仕事場で、Bayfm Traffic Updatesのオケはレコーディングされました。そう、俗にいう自宅録音、“宅録”です。

自宅録音された音源が、そのまま放送で使われることは、当時としては珍しいことだったのかもしれません。

しかし、思い起こしてみれば、松任谷正隆氏とともに担当したNHK、朝の連ドラ“春よ来い”の劇伴(ドラマの背景音楽)もすべて宅録です。宅録された音源が、テレビで全国放送されていたことになります。

編集済みビデオに記録されたタイムコードと格闘しながら、一年間毎日、毎日、一生懸命デジタル・ピアノを弾いて録音していた当時を思い出します。

ヴォーカル・ロゴ・レコーディング

ヴォーカル・ロゴは、さすがに宅録というわけにはいきません。DATに録音されたBayfm Traffic Updatesのオケは、アレンジされたヴォーカル・ロゴの譜面とともに、アメリカに送られました。

ヴォーカル・ロゴのレコーディングは、すべてアメリカのジングル専門会社にお願いしました。作者自身、残念ながらアメリカでのヴォーカル録音現場に立ち会うことはできませんでした。

Updates関連のヴォーカル・レコーディングには立ち会えませんでしたが、製作したJingleの歌録音には、もちろん参加しました。ディレクションもすべて担当させていただきました。

シンガーは、メロディー・セクストン&ケイリブ・ジェームス、ふたりの黒人シンガーにお願いしました。レコーディング場所は、代官山、ZERO STUDIOです。

ステーションID(♪Bayfm78、♪ド↑ドソラファ–ソ—- )録音は、ジングル録音作業中、最も重要なレコーディングです。

ステーションIDは、放送局のメインとなるものです。分厚いボーカル・コーラス・サウンドが求められます。

1日に合計、8タイプ前後録音したでしょうか。女性3パート、男性2パート、左と右チャンネルにそれぞれダブルで録音します。

同じようなパートを、何回も歌ってもらいます。ふたりのシンガーで、あれだけの分量をこなすのは、いささか無理があったのかもしれません。反省しています。

話を戻しましょう。Bayfm Traffic Updatesのヴォーカル・ロゴは、アメリカのシンガー達によって見事に録音され、製作は終了。テープは日本に送り返され、ベイエフエムに無事納品されました。

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